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フィラリアは命取り!犬と猫を「蚊」から守る簡単予防
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暖かくなり、お散歩や外での遊びが楽しい季節になってきましたね。愛するわんちゃん、ねこちゃんと一緒に過ごす時間は、飼い主さんにとって何よりの宝物でしょう。
でも、この時期に気をつけたい、ある「小さな脅威」がいるのをご存知ですか? それは、たった一匹の蚊が運んできてしまうかもしれない恐ろしい病気、「フィラリア症」です。
フィラリア症は、わんちゃん、ねこちゃんの命に関わる、非常に危険な病気です。でも実は予防はとても簡単なんです。この記事では、フィラリア症がどんな病気なのか、なぜ予防が大切なのか、そして大切な家族を守るために飼い主さんができることについて、分かりやすくお伝えします。
最後まで読んでいただければ、きっと「うちの子のために予防を始めよう!」と思っていただけるはずです。
蚊が運ぶ、静かなる脅威...
あなたの知らない「フィラリア症」のリスク
「うちの子は家の中にいるから大丈夫」
「うちの周りには蚊が少ない気がする」
そう思っていませんか?
残念ながら、フィラリア症のリスクは、多くの飼い主さんが思っているよりもずっと身近に潜んでいます。豊田市(西三河地区)にお住まいでも例外ではありません。
フィラリアは、蚊を媒介して広がる寄生虫です。たった一匹の蚊がわんちゃんやねこちゃんを刺すだけで、感染の可能性があるのです。市街地であっても、わずかな水たまりがあれば蚊は発生しますし、お散歩やベランダに出た数分の間に蚊に刺される可能性もあります。室内飼いのねこちゃんであっても、網戸をすり抜けた蚊に刺されてしまうケースも報告されています。
「うちの子は大丈夫」という油断は禁物です! フィラリア症から大切な家族を守るためには、「予防」こそが最も確実で安全な方法なのです。
「フィラリア症」のメカニズム
では、具体的にフィラリア症はどのようにしてわんちゃんやねこちゃんの体に悪さをするのでしょうか?
フィラリアの幼虫は、フィラリアに感染した動物の血を吸った蚊の体内で成長し、次に蚊が別の動物(犬や猫)を刺した際に、その動物の体内に侵入します。
体に入ったフィラリアの幼虫は、約半年かけて成長しながら血管の中を移動し、最終的に心臓や肺動脈に寄生します。そうして、大人のフィラリア(成虫)となり、そうめんやスパゲッティのような細長い虫が、心臓や血管の中で活動を始めるのです。成虫になったフィラリアは、そこでさらに子虫(ミクロフィラリア)を産み、それが全身の血液中を循環します。この子虫を蚊が吸い、また別の動物に...というサイクルでフィラリア症は広がっていきます。
心臓や肺動脈に大量のフィラリア成虫が寄生すると、血液の流れが悪くなり、様々な重い症状を引き起こします。まさに、蚊が運んできた「静かなる脅威」が、体の内側から健康を蝕んでいく病気なのです。
もし、かかってしまったら...
想像以上に大変!フィラリア症の治療
「もしフィラリア症にかかってしまったら、治療すれば大丈夫なんでしょ?」と思われがちですが、フィラリア症の治療は予防に比べてはるかに難しく、体への負担も、飼い主さんの金銭的な負担も、非常に大きいのが現状です。
フィラリア成虫が心臓や肺動脈に寄生すると、以下のような症状が現れます。
- 疲れやすい、散歩を嫌がる
- 咳が出る(特に運動後)
- 呼吸が苦しそう
- 食欲不振、体重減少
- お腹が膨らむ(腹水)
- 貧血
- 失神、突然死
これらの症状が出る頃には、心臓や肺には深刻なダメージが蓄積し、病気はかなり進行してしまっています。
治療法としては、心臓の血管から外科的に成虫を取り除く方法がありますが、動物への負担が大きく、非常に危険を伴います。また治療後も、心臓や肺に残ったダメージにより、生涯にわたって投薬やケアが必要になることも少なくありません。治療費も一般的にはかなり高額になります。
フィラリア症は、「かかってから治す」のではなく、「かからないようにする」ことが、何よりも大切なのです。
もしもの後悔を防ぐ「賢い選択」!フィラリア症の予防法とは?
フィラリア症の予防は、恐ろしい病気から大切な家族を守るための、飼い主さんにできる最も簡単で効果的な「賢い選択」です。
フィラリア予防薬のタイプ
飲み薬(錠剤・チュアブルタイプなど)
美味しいおやつ感覚で与えられるものもあり、毎月決まった日に飲ませることで予防できます。
スポットタイプ(首の後ろに垂らす液体タイプ)
皮膚から吸収されて効果を発揮するタイプで、お薬を飲むのが苦手な子にも向いています。毎月決まった日に滴下することで予防できます。
どちらのタイプのお薬も、蚊が出始める時期から蚊がいなくなる時期まで、正しく投与することで、フィラリアの幼虫が成虫になるのを防ぎ、感染をブロックします。
予防はいつからいつまで?
地域によって蚊の発生時期は異なりますが,当院のある豊田市の場合、4月から12月までが予防の最低ライン。温暖化の影響もあり、冬も暖かくなっていることから、可能であれば1年間を通しての予防を推奨しています。
また、フィラリア予防を開始する前には、フィラリアにすでに感染していないかどうかの血液検査(フィラリア抗原検査)が必要です。もし感染している子に予防薬を与えてしまうと、かえって危険な副作用が出てしまうことがあるからです。当院で安全に検査を行い、安心して予防をスタートできます。
フィラリア予防は、大切な家族と一日でも長く、笑顔で健康に過ごすために、飼い主さんにできる愛情表現の一つです。最適な予防法は、わんちゃん・ねこちゃんの性格、ライフスタイル、健康状態によって様々。当院にご相談いただければ、豊田市(西三河地区)の環境も踏まえ、獣医師が丁寧に診察し、飼い主さんの日々の生活スタイルに合った予防薬をご提案させていただきます。
- お薬を飲むのが得意?苦手?
- 他の病気はある?
- よくお散歩に行く?家の中にいることが多い?
- アレルギーはある?
など、様々な点を考慮して、最も負担が少なく、確実に予防できる方法を一緒に見つけましょう。
大切な家族を守る第一歩!
フィラリア予防をはじめませんか?
「この記事を読んで、フィラリア予防の大切さがよく分かった!」
「うちの子に合った予防法を知りたい」
「去年の予防、どうだったか不安だな...」
そう思われたら、ぜひ当院にご相談ください。
フィラリア予防は、難しいことではありません。私たちと一緒に、大切な家族をフィラリア症の脅威からしっかり守りましょう。まずは一度、お気軽にご相談にいらしてください。
文責 院外スタッフTAI