犬の病気
【獣医師監修】犬の涙やけケア、もう悩まない!原因から学ぶ根本的な改善アプローチ
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監修:かなくぼ動物病院 院長 獣医師 金久保 要
「毎日ちゃんと拭いているのに、目の下がいつも茶色い...」
「フードを変えたり、サプリを試したりしたけど、一向に良くならない...」
愛犬の目の周りが、涙によって赤茶色に変色してしまう「涙やけ」。
毛色が明るいワンちゃんだと特に目立ちやすいため悩まれることが多いですが、毛色を問わず、多くの飼い主様にとって大きな悩みの種ではないでしょうか。
実は、涙やけは単なる見た目の問題ではなく、その裏には様々な原因が隠れている可能性があります。
この記事では、なぜ涙やけが起こるのか、その根本的な原因から、ご自宅でできる本当に効果的なケア方法、そして動物病院で相談すべきタイミングや治療法について解説します。
そもそも「涙やけ」はなぜ起こる?そのメカニズムとは
涙やけとは、正式には「流涙症(りゅうるいしょう)」によって引き起こされる被毛の着色を指します。涙そのものに色がついているわけではありません。では、なぜ目の周りが茶色や赤黒く変色してしまうのでしょうか。そのメカニズムは、以下のステップで起こります。
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涙が目からあふれ出る
何らかの原因で涙の量が増えたり、涙の通り道がうまく機能しなかったりすると、涙が目の外にあふれ出てしまいます。 -
目の周りの毛が常に濡れた状態になる
あふれ出た涙によって、目の下の毛が常に湿った状態になります。 -
細菌やカビが繁殖する
湿った環境は、細菌やカビ(マラセチアなど)が繁殖するのに最適な場所です。涙に含まれるタンパク質や脂質を栄養源にして、これらの微生物が増殖します。 -
色素が沈着して変色する
細菌の代謝物や、涙に含まれる「ポルフィリン」という鉄分を含んだ成分が、太陽の光(紫外線)に反応することで、被毛を赤茶色に変色させます。これが「涙やけ」の正体です。
つまり、涙やけを根本的に改善するには、「なぜ涙があふれ出てしまうのか?」という根本の原因を突き止めることが非常に重要なのです。
犬の涙やけ、考えられる4つの主な原因
涙があふれ出てしまう原因は、一つだけとは限りません。主に「涙の量が多い」と「涙の排出障害(通り道が悪い)」の2つのパターン、そしてそれらに関わる体質的な要因が考えられます。
【原因1】涙の分泌量が多い
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目への物理的な刺激
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逆さまつげ(睫毛乱生・異所性睫毛など)
まつげが眼球(角膜)に当たり、常に刺激を与えている状態です。 -
ゴミやホコリ、シャンプーなどの異物混入
目に入った異物を洗い流そうとして、一時的に涙が増えます。 -
眼瞼内反症
まぶたが内側にめくれ、まつ毛やまぶたの皮膚が目に当たって刺激します。 -
目の病気
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結膜炎・角膜炎
アレルギーや感染症などによって目に炎症が起こり、その刺激で涙が増えます。
目が赤い、しょぼしょぼする、目やにが多いといった症状を伴うこともあります。 -
アレルギー反応
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食物アレルギー
特定のドッグフードの原材料(タンパク質など)がアレルゲンとなり、結膜炎などを引き起こして涙が増えることがあります。 -
環境アレルギー
ハウスダストや花粉、タバコの煙などが原因でアレルギー反応が起こり、涙の量が増えるケースです。
【原因2】涙の通り道が悪い
ワンちゃんの目頭には「涙点(るいてん)」という小さな穴があり、そこから「鼻涙管(びるいかん)」という管を通って、涙は鼻の奥へと排出される仕組みになっています。この通り道に問題があると、涙は正常に排出されず、目からあふれてしまいます。
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鼻涙管の詰まり(閉塞)や狭さ(狭窄)
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先天的なもの
生まれつき鼻涙管が細い、または閉じてしまっている状態です。 -
後天的なもの
結膜炎などの炎症によって涙点や鼻涙管が腫れて狭くなったり、細胞のカスや粘液などで詰まってしまったりすることが原因です。歯周病がひどくなると、歯の根元の炎症が鼻涙管に波及して詰まることもあります。
【原因3】食事内容と体質
「涙やけに良い」とされるドッグフードが多数販売されていることから、食事と涙やけの関係が気になる飼い主様は非常に多いでしょう。フードが涙やけの直接的な原因になるわけではありませんが、以下のような形で関連している可能性があります。
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食物アレルギー
前述の通り、フードに含まれる特定のタンパク質(鶏肉、牛肉、乳製品、小麦など)にアレルギー反応を起こし、目の炎症から涙が増えるケースです。 -
消化への負担
消化の悪いフードや、質の良くない油、多くの添加物が含まれるフードは、体内に老廃物を溜め込みやすく、それが体質的に涙の成分や量に影響を与える可能性も指摘されていますが、医学的にはっきりと証明されているわけではありません。
フードを見直す際は、アレルギーの可能性を考慮し、主原料のタンパク質の種類を変えてみたり(例:チキン→魚)、添加物の少ない消化の良いフードを選んでみたりするのも一つの方法です。ただし、効果が出るまでには1~2ヶ月かかる場合もあり、効果には個体差があることを理解しておく必要があります。
【原因4】犬種と骨格的な要因
涙やけは、特定の犬種で非常によく見られます。これは、骨格的な特徴が関係していると考えられます。
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短頭種(シーズー、パグ、フレンチ・ブルドッグなど)
鼻が短く、目が大きいため、鼻涙管が圧迫されたり、目が刺激を受けやすかったりします。 -
小型犬(トイプードル、マルチーズ、チワワなど)
生まれつき鼻涙管が細く、詰まりやすい傾向があります。特にトイプードルやマルチーズは、毛が長く、目に入りやすいことも涙やけを助長する一因と考えられます。
ご自宅でできる!犬の涙やけの正しいケア方法と拭き方
涙やけの改善と予防には、毎日の地道なケアが欠かせません。しかし、やり方を間違えると悪化させてしまうことも。正しい拭き方をマスターしましょう。
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準備するもの
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人肌程度のぬるま湯、または涙やけ専用のケアローション
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コットンや柔らかいガーゼ
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拭き方の手順
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コットンやガーゼをぬるま湯などで湿らせ、軽く絞ります。
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まずは、涙やけで固まってしまった毛や目やにを、湿らせたコットンで優しく押さえるようにしてふやかします。ゴシゴシこするのは絶対にやめましょう。皮膚を傷つけ、炎症を悪化させる原因になります。
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汚れがふやけたら、毛の流れに沿って、優しくつまむように、あるいは押さえるようにして拭き取ります。
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最後に、乾いたコットンで水分をしっかり拭き取ります。湿ったままだと、再び細菌が繁殖してしまいます。
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ケアの頻度
1日に1〜2回、汚れが気になった時に行いましょう。毎日続けることが大切です。 -
その他のケア
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目の周りの毛をカットする: 毛が目に入るのを防ぎ、通気性を良くすることで、涙やけの悪化を防ぎます。ハサミの先が目に入らないよう、十分に注意するか、トリミングサロンにお願いするのが安全です。
動物病院に相談すべきタイミングは?
セルフケアを続けても一向に改善しない場合や、以下のような症状が見られる場合は、病気が隠れている可能性があります。自己判断でケアを続けるのではなく、一度動物病院を受診しましょう。
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2週間~1ヶ月以上セルフケアを続けても、全く改善が見られない
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涙の量が急に増えた
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目をしょぼしょぼさせる、前足でこするなど、痛がったり痒がったりする様子がある
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白目や目の周りが赤い
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黄色や緑色のドロッとした目やにが出る
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涙やけの部分の皮膚が赤くただれている、脱毛している
これらのサインは、治療が必要な目の病気や皮膚炎のサインかもしれません。早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
動物病院ではどんな検査や治療をするの?
動物病院では、涙やけの根本的な原因を突き止めるために、丁寧な診察と検査を行います。
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問診・視診
飼い主様から普段の様子や食事内容、これまでのケアについて詳しくお話を伺い、目の状態を詳細に観察します。 -
眼科検査
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スリットランプ検査:細い光を当てて、角膜や結膜、まつげの状態などを拡大して詳しく観察します。
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フルオレセイン染色:角膜に傷がないかを確認します。
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アレルギー検査
食物アレルギーが疑われる場合は、アレルギー検査(血液検査)や、特定の食材を除去して反応を見る「除去食試験」を行うことがあります。
治療は、原因によって様々です。
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結膜炎や角膜炎:抗生剤や抗炎症剤の点眼薬で治療します。
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逆さまつげ・眼瞼内反症:症状が軽ければ定期的にまつげを抜く処置を、重度であれば外科手術が必要になる場合があります。
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鼻涙管閉塞:定期的な鼻涙管洗浄を行います。細い管を涙点から挿入し、生理食塩水などを流してつまりを取り除きます。
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アレルギー:アレルギーの原因となる食事の変更(療法食など)、サプリメントの処方、抗アレルギー薬の内服などを行います。
諦めないで!涙やけは原因究明が改善への第一歩
愛犬の涙やけは、多くの飼い主様を悩ませる根深い問題です。
フードやケア用品を試しても改善しないのは、その子の涙やけの根本原因にアプローチできていないからかもしれません。
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涙やけは、涙があふれて細菌が繁殖することで起こる。
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原因は、目の刺激、病気、涙の通り道の問題、アレルギー、体質など様々。
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ドッグフードは、アレルギーを介して涙やけに関わっている可能性がある。
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自宅でのケアは「優しく拭いて、しっかり乾かす」が基本。
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セルフケアで改善しない、他の症状がある場合は、動物病院で原因を調べることが重要。
見た目が気になるだけでなく、ワンちゃん自身も不快感や痒みを感じているかもしれません。様々な情報を試して疲れてしまう前に、ぜひ一度、獣医師にご相談ください。専門家の目でしっかりと原因を突き止め、その子に合った最適な治療法やケアを一緒に見つけていきましょう。
豊田市のかなくぼ動物病院では、一般診療に加え、眼科診療にも力を入れています。
なかなか治らない頑固な涙やけでお困りの際は、その原因をしっかりと見極め、それぞれのワンちゃんに合った治療法やケアをご提案させていただきます。
愛犬の涙やけでお悩みの際は、お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
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