猫の病気
【獣医師監修】猫の目が赤いのは病気?考えられる原因と病院へ行くべき危険な症状
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監修:かなくぼ動物病院 院長 獣医師 金久保要
「あれ、うちの子の目がなんだか赤い...」
「片目だけ充血して、しょぼしょぼさせているけど大丈夫かしら...」
普段は澄んでいる愛猫の目が赤くなっていることに気づいたとき、飼い主様は大きな不安を感じることでしょう。「目にゴミでも入ったのかな?」「何かのアレルギー?」「もしかして、大きな病気だったらどうしよう...」と、様々な心配が頭をよぎるのではないでしょうか。言葉で不調を訴えられない猫だからこそ、その小さな変化がとても気になるものです。
すぐに動物病院へ連れて行くべきなのか、それとも翌朝まで様子を見ても大丈夫なのか、その判断に迷ってしまうことも少なくありません。
猫の目が赤くなる原因は、一時的な軽い刺激から、放置すると視力に影響を及ぼす可能性のある病気まで、実に多岐にわたります。この記事では、獣医師の視点から、猫の目が赤くなる主な原因、ご自宅でできることと注意点、そして「これは危険なサイン!」という動物病院へ行くべき症状について、詳しく解説していきます。飼い主様の不安を和らげ、愛猫のために適切な判断ができるよう、正しい知識をお伝えします。
猫の目が赤くなる主な原因は?
「猫の目が赤い」という症状は、主に白目の血管が拡張して赤く見える「充血」と、血管が破れて赤く見える「出血」に分けられますが、多くは「充血」です。なぜ目が赤くなってしまうのか、その主な原因を見ていきましょう。
猫の目の赤みで最も多い原因の一つがウイルス性感染症、一般に「猫風邪」と呼ばれるものです。
猫ヘルペスウイルス感染症
親猫から感染することが多く,一度感染すると体内にウイルスが潜伏します。完全に治癒することはなく,ストレスなどで免疫力が落ちた時に発症を繰り返します。結膜炎や角膜炎を引き起こし、目の赤み、しょぼつき、涙、目やにのほか、くしゃみや鼻水といった呼吸器症状を伴うのが特徴です。
猫カリシウイルス感染症
ヘルペスウイルス感染症とよく似た症状が見られる感染症です。目の症状に加え、口内炎や舌の潰瘍、肺炎などを引き起こすことがあるウイルスです。
クラミジア感染症
細菌の一種であるクラミジアによる感染症です。特に結膜炎がひどくなりやすく、白目がゼリー状にブヨブヨと腫れる(結膜浮腫)こともあります。ワクチン未接種の子猫や、多頭飼育の環境で発生しやすい傾向があります。
感染症以外にも、目の各部位に起こる炎症や異常が原因となります。
結膜炎(けつまくえん)
まぶたの裏側を覆う「結膜」の炎症です。感染症のほか、アレルギーや異物による刺激が原因でも起こります。目が赤くなる、涙や目やにが増える、痒がって目をこするなどの症状が見られます。
角膜炎(かくまくえん)・角膜潰瘍(かくまくかいよう)
黒目の表面を覆う「角膜」の炎症や傷です。猫同士のケンカや、目をこすりすぎることが原因で起こります。強い痛みを伴うため、猫は目をしょぼしょぼさせ、非常に気にするそぶりを見せます。
ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)
目の中の「ぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)」の炎症です。猫伝染性腹膜炎(FIP)や猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、トキソプラズマ症といった全身性の重篤な病気の一症状として現れることがあります。
緑内障(りょくないしょう)
目の中の圧力(眼圧)が異常に高くなり、視神経がダメージを受ける病気です。強い痛みを伴い、放置すると失明に至る危険性が非常に高いです。目の赤みのほか、瞳孔が開く、眼球が大きくなるなどの症状が現れることがあります。
ゴミ・ホコリ・猫砂などの異物混入
目に異物が入ると、それを排出しようとして涙が増え、結膜が刺激されて赤くなります。片目だけに症状が見られる場合、異物混入の可能性も考えられます。
アレルギー
ハウスダストや花粉、特定の食べ物などがアレルゲンとなり、アレルギー性結膜炎を起こすことがあります。痒みを伴うことが多いです。
外傷
猫同士のケンカや、家具にぶつかるなどして目に傷がつき、赤くなることがあります。
目の赤み以外の症状をチェック!危険度を見極めるポイント
愛猫の目が赤いとき、他の症状を併せて観察することが、状態の緊急性を判断するうえで非常に重要です。
目の状態を詳しくチェック
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しょぼしょぼしている:強い痛みを感じているサインです。
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涙や目やにが出ている:涙が止まらない、黄色や緑色のドロっとした目やにが出ている場合は、感染症の可能性があります。
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まぶたが腫れている:炎症が強く起きていると考えられます。
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白目がブヨブヨしている(結膜浮腫):強いアレルギー反応や炎症のサインです。
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黒目が白く濁っている:角膜の傷や、目の中の炎症が疑われます。
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左右の瞳の大きさが違う:ぶどう膜炎や緑内障、神経系の異常など、深刻な病気の可能性があります。
全身の状態をチェック
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元気・食欲がない:目の不快感だけでなく、全身性の病気が隠れているサインかもしれません。
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くしゃみ、鼻水、咳をしている:「猫風邪」の典型的な症状です。
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体を触られるのを嫌がり、どこかを痛がる: 目の病気以外のケガや病気の可能性も考えられます。
これらの症状が一つでも当てはまる場合は、様子を見ずに動物病院の受診を検討しましょう。
ご家庭でできる応急処置と注意点
動物病院へ行く前にご自宅でできること、そして絶対にやってはいけないことがあります。
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目をこすらせない
猫は目に違和感があると自分でこすってしまいます。その結果、角膜を傷つけるなど症状を悪化させる危険がありますので、エリザベスカラーがあれば装着してください。 -
目の周りを清潔に保つ
目やにや涙で汚れている場合は、湿らせた清潔なコットンやガーゼで、目の周りを優しく拭き取ります。このとき、眼球そのものには触れないように注意してください。 -
安静な環境を整える
明るい光が刺激になることもあるため、少し薄暗くした静かな部屋でリラックスさせてあげましょう。多頭飼育の場合は、他の猫との接触を避けることで、感染症の拡大やケンカによる悪化を防げます。 -
人間用の目薬の使用はNG
人間と猫では目の構造や適した薬の成分が異なります。人間用の目薬には、猫にとって有害な成分が含まれていたり、強い刺激になったりすることがあります。症状を悪化させる危険があるため、使用しないでください。 -
以前処方された目薬の使い回し
症状が似ていても原因が異なれば、必要な薬も違います。また、開封済みの目薬は細菌が繁殖している可能性があり危険です。必ず獣医師の診察を受けてから、新しい薬を処方してもらってください。
危険なサイン!すぐに動物病院へ連れて行くべき症状
以下の症状が見られる場合は、緊急性が高いと考えられます。様子を見ずに、夜間や休日であっても動物病院に連絡し、指示を仰いでください。
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強い痛みで全く目を開けられない
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目の症状だけでなく、ぐったりして元気や食欲が全くない
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突然壁にぶつかるなど、明らかに目が見えていない様子がある
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目が飛び出して見える、またはひどく腫れあがっている
特に緑内障は、治療が遅れると数日で失明に至ることもあるため、迅速な対応が愛猫の視力を守ることに繋がります。
動物病院で行う検査と治療
動物病院では、原因を正確に突き止めるために、いくつかの検査を行います。
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問診・視診:飼い主様から症状がいつからか、他の症状はないかなど詳しくお話を伺い、目の状態を丁寧に観察します。
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眼科基本検査
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スリットランプ検査:細い光を当てて、角膜や結膜、目の中の状態を拡大して詳しく調べます。
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フルオレセイン染色(角膜染色検査):角膜に傷がないかを調べる検査です。傷があると染色液で緑色に染まります。
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眼圧検査:緑内障が疑われる場合に専用の機器で眼圧を測定します。
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その他の検査
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原因に応じて、感染症検査や血液検査などを行うこともあります。
治療は原因によって様々です。
猫風邪や結膜炎などには、抗ウイルス薬や抗生剤、抗炎症剤などの点眼薬や内服薬が処方されます。
角膜に傷がある場合は、その保護と修復を促す治療を行います。緑内障の場合は、眼圧を下げるための緊急処置が必要となります。
猫の目のサインを見逃さず、早めの相談を
愛猫の目が赤いという症状は、飼い主様にとって非常に心配なものです。その背景には、軽い刺激から視力を脅かす重篤な病気まで、様々な原因が隠されています。
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猫の目が赤くなる原因で多いのは「猫風邪」などの感染症。
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目の赤みだけでなく、「しょぼしょぼ」「涙」「目やに」「元気・食欲」など他の症状も重要な判断材料。
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人間用の目薬の自己判断での使用は絶対にやめること。
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「強い痛み」「視力低下の兆候」「全身のぐったり感」などは緊急性の高いサイン。
猫は不調を隠すのが上手な動物です。飼い主様が「ちょっといつもと違うな」と感じたとき、それは愛猫からの重要なSOSサインです。
「もう少しだけ...」と様子を見ているうちに、病気が進行してしまうケースも少なくありません。少しでも不安や疑問を感じたら、どうか一人で抱え込まず、かなくぼ動物病院にご相談ください。
豊田市のかなくぼ動物病院では、一般診療に加え、眼科診療にも力を入れております。猫ちゃんのデリケートな目のトラブルに対し、正確な診断と丁寧な治療を心がけています。
愛猫の目の赤みや充血、しょぼつきなどでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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