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猫の腎臓病:第1回

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こんにちは。かなくぼ動物病院 院長の金久保です。
今回から数回に亘り,「猫の慢性腎臓病」についてお話ししたいと思います。

1-1. 猫の慢性腎臓病のイメージ

猫の飼い主さんにとって,慢性腎臓病(腎不全)は高齢になると避けられない病気であり,また慢性腎臓病になったらその時点が寿命だと思われている方も多いように感じます。確かに昔は「猫は腎臓が弱く,高齢になると必ず慢性腎臓病になる」「慢性腎臓病には治療法がなく余命はそれほど長くない」と考えられていました。しかし最近では診断技術,治療技術は進歩しており,多くの猫ちゃんたちが慢性腎臓病と闘いながらもある程度の生活が送れるようになっています。

ちなみに多くの飼い主さんにとって,慢性腎臓病という言葉より,腎不全という言葉の方がなじみがあると思います。しかしこの腎不全という言葉は,近年,獣医師の間ではあまり使われなくなってきました。それは「腎不全」という言葉が,「腎機能が低下し生命を維持することが困難になった状態」を指すため,「腎機能は低下してきているが,まだまだご飯も食べられるし遊んだりできる」という子に対して,「この子は初期の腎不全ですね」という感じで使用することが不適切だということになったためです。そのため現在は学会にて慢性腎臓病という名称で統一されることになっています。

1-2. 腎臓の働きと腎臓病の関係

さてここで,そもそも腎臓とはどういう臓器なのかをご説明します。腎臓は尿(おしっこ)を作る臓器というイメージが強いと思いますが,なぜ生き物は尿をする必要があるのでしょう。尿には体中で発生した老廃物を体の外に出すという機能だけでなく,水分やミネラルを調整するという役割があります。尿を作る腎臓は,老廃物を処理し,水分量やミネラルバランスの調整を行う多機能な臓器として働いているのです。

また皆さんになじみの無い機能として,「血液量の調整」も行っています。血液の量が増えると尿の量を増やし水分を出し,血液が薄まればそれを濃くするように他の臓器に働きかけ,血液の量と濃度を一定に保ちます。

腎臓病とはそのような様々な腎臓の機能が低下した状態のことを指します。腎臓病を患った猫ちゃんが,脱水を起こし,ミネラルバランスが乱れ,食欲が落ち,貧血が進行するのは,そのような様々な腎臓の機能が低下するためで,そのため一口に腎臓病の治療といっても,多くの異常に対応しなければならないことがお分かりいただけると思います。

1-3. 猫に腎臓病が多いわけ

腎臓病は犬よりも猫によく見られる病気です。特に高齢の猫ちゃんには高い頻度で発生し,それが大きく寿命を左右します。それではどうして犬よりも猫に慢性腎臓病が多いのか…。その答えは未だにはっきりとはわかっていないのですが、一説には、猫の祖先は砂漠で生きる生き物だったため、水分を温存するために濃縮した尿を作るように進化しています。しかしその一方で、濃縮された尿を作ることは腎臓に大きな負担をかけるため、腎臓が疲弊しやすいのではないかと考えられています。また、猫は完全肉食動物で犬に比べてタンパク質を多く摂取します。その老廃物の処理のため腎臓に負担がかかってしまうためという説もあります。

本コラムの内容は,読み物の意味合いの強い一獣医師の私見であり,「悩んでいらっしゃる飼い主様のちょっとした助けになれば」ということを目的に掲載しております。そのため,この内容を獣医学的に保証するものではありませんし,学術論文のような内容の裏付けも行っておりません(古い情報,誤った情報も含まれていると思います)。本コラムを参考にされる際には,この内容を鵜呑みにせず,必ず信頼できる獣医師とよく相談の上,病気で苦しんでいる動物たちに最も良い治療法を探してあげるようにしてください。このコラムがその助けになれば嬉しく思います。

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