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犬と猫のけいれん発作

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今回は犬と猫のけいれん発作についてです。

当院の緊急ダイヤルにかかってくるお電話の中で,この「けいれん発作」はかなり頻度が高く,やはりその症状から飼い主さんも「ただごとでは無い!」と思われることが多いようです。とは言え,多くの飼い主さんが,そもそもの「けいれん発作」についての知識に乏しく,電話口でも「バタバタしている」とか「ガクガク震えている」とか,あるいは「てんかん発作を起こしている」とおっしゃる飼い主様もみえます。

そもそも「発作」とはなんでしょう? 辞書で調べると「突発的に病気の症状が起きること」だそうです。となると,「突然おなかが痛くなった」とか,「いきなり鼻血が出た」というのも発作なんでしょうか? あんまりそういう意味で「発作」という言葉を使うことはないと思いますが,言葉の定義としてはそういうことになるのかもしれません。

次に「けいれん」とは何かというと,これは「体の一部,あるいは全身の筋肉が強く収縮し,ひきつること」だそうで,合わせると「けいれん発作」は「突発的に体の一部,あるいは全身の筋肉が強く収縮すること」ということになります。これだとこむら返りなどもけいれん発作ということになりますが,こむら返りが起こったとき、「けいれん発作が起こった」と言うことは普通ありませんよね。

うーん…,僕自身,書いていてよく分からなくなってきたので,ここからは少し獣医学的な話へと進んでいきましょう。

A.犬と猫のけいれん発作とは?

言葉の定義はさておいて,一般的に獣医学的に使われる「けいれん発作」をわかりやすく言うと,「突然に筋肉がビクビクと動いてしまう状態」です。顔や首、足などが本人の意思とは関係なくピクピクと動いたり、ギューッと力が入りっぱなしになる状態がこれに当たります。けいれん発作が重度になると、意識を消失し,全身がこわばる、手足が勝手にガクガクと動く、バタバタと床を転げ回るなどの状態に陥ります。恐怖や寒さ,痛みなどで体が震えているのとは異なりますので,注意しましょう。

発作は多くの場合、数秒から1分程度で治まり,その後,落ち着かずうろうろと歩き回ったり,ぐったりしたりします。また発作に伴い,嘔吐や失禁,流涎(よだれ)が見られることもあります。

B.考えられるけいれん発作の原因

けいれん発作は脳のトラブルです。様々な病気の症状として表れますが,その原因は大きく「脳自体のトラブル」と「脳に影響を及ぼす他の疾患」に分けられます。以下に代表的な原因を挙げておきます。

脳自体のトラブル

てんかん,脳炎,その他の脳の疾患(奇形,腫瘍,梗塞など)

脳に影響を及ぼす疾患

心疾患,肝障害,腎不全,低血糖,著しい脱水,中毒など

C.けいれん発作がおこったらどうする?

とにかくまず落ち着いてください。けいれん発作で命に関わることはほとんどありません。暴れるのを無理矢理おさえたり,大きな声をかけて揺さぶったりせず,まずは十分に状況を観察してください。多くの場合は数十秒で治まるはずです。

けいれん発作で大きなトラブルが起こるのは,ほとんどの場合二次的なトラブルです。高いところから落ちたり,家具などにぶつかったりすることがありますので,安全な場所に寝かせてまわりにクッションなどを置いてあげましょう。また不用意に触ったりすると,意識が混乱しているために飼い主さんを咬んでしまうこともありますので気をつけましょう。

緊急での対応が必要な場合は?

先ほど申し上げたとおり,けいれん発作は治まるまで様子を見るのが基本ですが,発作が著しく重篤な場合は動物病院での緊急対応が必要です。重度の発作は脳への影響が大きく、後遺症のリスクが高まったり、最悪の場合は死亡することもあるからです。けいれん発作が1分間以上の長時間に亘る場合や,1日に何度も発作がおこる場合は,危険な状態である可能性があるため,速やかに動物病院を受診し治療によって発作を止める必要があります。また発作中に舌や歯ぐきの色が悪くなる場合は、呼吸困難や呼吸停止の可能性があります。これは直接命に関わる緊急事態ですので、ためらうことなく一刻も早く動物病院にお連れください。

病院へ運ぶ

先ほどの「緊急対応が必要なけいれん発作」でない場合は、発作がしっかりと落ち着いてから,早めに動物病院を受診しましょう。けいれん発作の原因のほとんどが,治療を必要とする病気です。けいれん発作は症状であって病気の本体ではありません。発作が治まったからといって,そのまま様子を見ていて良い場合はほとんどなく、きちんと原因究明を行わないと、発作は繰り返され徐々に悪化していきます。飼い主さんの自己判断での「様子見」は避けてください。

また,けいれん発作は,その原因によって治療・対応方法が変わってきます。原因究明には,発作が起こっているときの状況が大きなヒントになりますので,発作の時の様子をしっかりと詳細に獣医師に伝えてください。

・発作がおこる前にきっかけや変調はあったか?
・どんな発作だったのか?(全身的?部分的?)
・発作中に意識は正常だったか?
・発作はどの程度の時間続いたか?
・中毒や熱中症,その他の突発的な事故の可能性はあるか?
・心臓病,肝臓病などの持病はあるか?
・今回が初めてのけいれん発作なのか?

D.けいれん発作がおこる子との生活

日頃の備え

残念ながら、動物のけいれんについては、熱中症や中毒(殺虫剤や除草剤など)を除くと飼い主さんが予防できる事は少ないです。けいれん発作をおこしやすい病気を持っていたり、「てんかん」と診断されている場合には、事前に心構えができますが、それでもけいれん発作は突然です。おこってしまった時にどの様に対応するかを知っておくことが備えとなりますので、「C.けいれん発作がおこったらどうする?」の内容は頭の片隅においておくと良いと思います。また,けいれん発作をおこす可能性が高い病気を早期に発見する為にも,定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

緊急時への備え

命に関わるような危険な重篤なけいれん発作だけは、緊急の対応が必要となります。そのような発作の可能性のある子に対しては、日頃から緊急事態に備えておくことが必要です。夜間や休診日などに重篤な発作が起こった場合、時間外にかかりつけ医に連絡を取ることができるのか、また緊急対応は可能なのか、対応が困難な場合に対応可能な病院を紹介してもらえるのかなど、どのように対応するべきかかかりつけ医とよく相談しておくことが大切でしょう。

かなくぼ動物病院の取り組み

犬と猫のけいれん発作はその原因は様々です。どんな原因であっても発作が起こるときは突然で、発生したときには速やかに動物病院を受診することが大切です。当院では急な発作に対して適切な処置が行えるように、様々な薬剤や機材を用意しています。またその原因によっては高度な医療機関での検査が必要となる場合もあるため,日頃から二次診療施設と連携を図ることが可能な体勢を取っています。治療が長期にわたる際には、動物の負担を最小限に抑えながらも快適な日常生活をおくれることを目標に、飼い主様と相談をしながら,かかりつけ医として精一杯寄り添ってまいります。まずは一度ご相談ください。

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